★【プレスリリース】洪助教らがバレーボールにおける表面パターンの空力効果に関する研究成果を発表
ボール表面の凹凸形状が飛翔軌道に影響する
〜バレーボール置ける表面パターンの空力効果〜
ARIHHPの洪性賛助教と浅井武教授、韓国のProf. Weon(Sungkyunkwan University)の研究グループは、筑波大学のスポーツ風洞施設を用いて、バレーボール表面形状により、ボ ールに働く空力特性が変わる事を明らかにしました。
近年、バレーボールの表面の形状が変化し、様々な凹凸をつけたものが使用されるようになりました。
本研究では、このような表面形状の違いに着目し、バレーボールの向き(横と対角)における空気力(空気中を移動する際にボールへ作用する力;抗力・揚力・横力)を、スポーツ風洞を用いて計測し、ボールの発射方向が空気力に及ぼす影響について検討しました。さらに、ヒッティングロボットを用いてボールの飛翔軌道を比較検討しました。
図 本実験で使用した現代バレーボールの表面形状 (a)Adidasボール,(b)Mizunoボール,(c)Moltenボール(六角形),(d)Mikasaボール(ディンプル形) (a)と(b)は従来のバレーボール、(c)と(d)は新バレーボール
その結果、ボール表面に凹凸のない従来バレーボールでは、ボールの飛翔向きが、その空力特性に大きく影響し、飛翔軌道を決定する傾向(異方性)が見られました。一方、ボール表面に凸凹(六角形とディンプル形)形状を導入した新バレーボールでは、ボールの向きによる空力変化が小さい傾向(等方性)が見られました。このことから、ボール表面の形状を変えることで、ボールの飛翔軌道が改善できると推測できました。
今回得られた研究結果は、バレーボールの飛翔特性の理解、新たなボールの研究・開発やデザインに 活用できるものと期待されます。
本研究成果は、「Applied Sciences」に9月25日付で掲載されました。
なお、本研究の共同研究者Prof. Byun Mook Weon (Sungkyunkwan University, Korea)には、
ARIHHP国際フォーラム2018にて基調講演をしていただきました。