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★運動による脳疲労のメカニズムを解明【プレスリリース】

ー低酸素環境で行う中強度運動は前頭前野機能を低下させるー

筑波大学体育系ARIHHPの征矢英昭教授、越智元太院生、中央大学理工学部の檀一平太教授らの共同研究グループは、登山といった高所でのレジャー活動時やスポーツの激しい運動時に感じる脳疲労、具体的には、注意・集中、計画・判断などの認知機能 (実行機能) が低下する認知疲労を確認しました。さらに、その背景となる脳機構を、光による脳機能イメージング法である光トポグラフィー装置を用いて明らかにしました。

研究成果のポイント

1. 標高3,500m相当の低酸素環境 (富士山頂上に匹敵する13.5%酸素濃度) で行う10分間の中強度運動が、ヒトの注意・集中、計画・判断などの認知機能 (実行機能)を低下させ、認知疲労を引き起こすことを確認しました。
2. この脳疲労のメカニズムとして左脳の前頭前野背外側部(DLPFC)の活動低下が関与することを、光トポグラフィー注1装置を用いた脳機能イメージング法により初めて実証しました。
3. この成果は、高所登山時だけでなく、マラソンやトレイルラン、サッカーのロスタイムなど激運動時にアスリートが経験する運動性認知疲労対策への応用が期待されます。

 
写真は低酸素条件の実験の様子です。ダグラスバック (写真 オレンジ色の気密な袋) に充填してある低酸素ガスを、マスクを通じて吸引しながら実験はおこないました。 (A) 運動は座位姿勢でおこなうストレングスエルゴを用いておこないました。予め実験参加者ごとに計測された最高酸素摂取量に基づき、その50%になるように運動負荷を設定しました。 (B) ストループ課題はストレングスエルゴ上でおこなわれました。課題中に光トポグラフィー装置を用いて脳活動を計測しました。

図 低酸素環境で運動をする実験条件
 
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