★小﨑助教、⿊尾 誠名誉教授(自治医科大学)らによる論文がClinical Kidney Journalに掲載されました
超⾼齢社会の⽇本では、慢性腎臓病の患者数が増加の⼀途を辿っています。そのため、慢性腎臓病の発症および重症化を早期から予測し、適切な予防対策を講じることが⾮常に重要です。そこで本研究では、「細胞が⾼濃度のリンに晒されると傷害を受ける」という事実に着⽬し、腎臓の近位尿細管腔を流れる原尿中のリン濃度の推定値(推定原尿中リン濃度)が⾼い⼈は、加齢に伴う腎機能の低下が速いのではないか、という仮説を検討しました。
茨城県近郊の住⺠および慢性腎臓病患者、合計 308 ⼈を対象に、⾎液および尿検査を実施し、⾎中・尿中クレアチニン濃度および尿中リン濃度から、計算式を⽤いて推定原尿中リン濃度を算出しました。その後、腎機能の変化を 5 年間にわたり追跡した結果、追跡開始時に推定原尿中リン濃度が⾼い⼈は、加齢に伴う腎機能低下の程度が⼤きいことが明らかになりました。さらに、この関連性は、追跡開始時における年齢、性別、基礎疾患の有無、推算⽷球体濾過量、尿中アルブミン値などの影響を考慮しても認められました。
これらの結果は、⾎中リン濃度が正常範囲内であっても、原尿中リン濃度が⾼い⼈では、加齢に伴う腎機能の低下が加速している可能性を⽰しており、これまでに細胞および動物実験で得られた知⾒を裏付けています。本成果は、加齢に伴う腎機能低下の新たなメカニズムに関する理解を深めると共に、慢性腎臓病の発症および重症化を早期から予測し、適切な予防対策を講じるための新たな戦略の構築につながると期待されます。
【題 名】Renal tubular calcium phosphate microcrystallopathy and age-related kidney function decline: the aging kidney study.(腎尿細管におけるリン酸カルシウム微⼩結晶症と加齢に伴う腎機能低下:加齢腎研究)
【著者名】Kosaki K, Mori S, Matsui M, Yoshioka M, Park J, Nishitani N, Yoshikoshi S, Murasaki W, Saito C, Gosho M, Maeda S, Kuro-o M, Yamagata K.
【掲載誌】Clinical Kidney Journal
【公開日】2026年3月16日
【DOI】 https://doi.org/10.1093/ckj/sfag085
https://www.tsukuba.ac.jp/journal/medicine-health/20260403140000.html


