★佐渡助教らによる論文がHuman Movement Science誌に掲載されました。
ARIHHPの佐渡夏紀助教らによる論文がHuman Movement Science誌に掲載されました。
右足でのサッカーインステップキックは、目標点に対して右上がりな (左足なら左上がり) の斜め誤差分布になることが示されていました。しかし、これは複数のキッカーによる結果を混合しての結果であり、個人レベルの誤差分布は明らかではありませんでした。
本研究では、主に下記のことを明らかにしました。
・27名の右利き参加者全員で斜めの誤差分布が見られるが、斜めの誤差の形状 (どの程度右上がり度合いが強いか、95%信頼楕円の楕円率で評価) と方向 (斜めの角度、95%信頼楕円長軸方向で評価) に大きく個人差があること
・キック精度が同じでもこの個人差によって同じところを狙った際のシュートが枠内に入る確率に大きく影響すること
本研究の知見は、サッカーシュートを初めとする、2次元的に誤差が定義される様々な目標指向型な運動課題において、狙いどころという運動計画を最適化する上で正確性あるいは精度だけでなく、「誤差のかたちと方向の個人差」という新たな考慮すべき視点を提示しました。
【題 名】 Inter-individual variability in elliptical and diagonal error distributions potentially relevant to optimal motor planning in football instep kicking
【著者名】 Natsuki Sado, Morikazu Yazawa, Tempei Tominaga, Kohei Akutsu
【掲載誌】 Human Movement Science
【掲載日】 2024年8月22日
【DOI】 10.1016/j.humov.2024.103272