★浅井教授らによるサッカーボール後流の渦構造に関する研究成果がApplied Sciencesに掲載
ARIHHPの浅井武教授と洪性賛助教らは、数値流体力学(CFD)を用いて、無回転及び回転するサッカーボール後流に生じる渦構造についての研究成果を「Applied Sciences」に発表しました(6月30日付掲載)。。
【研究成果のポイント】
1. 数値流体力学(CFD)及びフィールドテスト(free-flight tests)を用いて、飛翔するサッカーボールを可視化して調べたところ、無回転ボールと回転ボールの後流に現れる渦構造の違いを実証しました。
①回転するサッカーボールの場合(図g-l)、ボールの進行方向に対して後ろ反対側に渦(large-scale counter-rotating vortex pair)が生成し、回転によりボール表面での空気の剥離(separation points)移動(変動)を抑えることで、ホールに作用する力(side force)を一定に安定させるのが判明されました。
②一方、無回転サッカーボールでは(図a-f)、ボール後方に生じる渦が不規則に移動することで、ホールに作用する力が不安定になり、これの反作用でボール軌道が予測出来ないブレ球になると考えられます。
2. 本研究の結果は、サッカー選手のカーブシュートやパスなどのトレーニングにも活用できると期待されます。
図.CFDを用いた可視化実験の結果(a~cは無回転ボールで、g~iは回転時の場合)とフリーフライトテストの結果(d~fは無回転ボール、j~lは回転ボール)(back view).
【掲載論文】
タイトル:Flow Visualization of Spinning and Nonspinning Soccer Balls Using Computational Fluid Dynamics
著者:Asai, T., Nakanishi, Y., Akiyama, N. and Hong, S.
掲載雑誌:Appl. Sci. 2020, 10, 4543.
https://doi.org/10.3390/app10134543
【問い合わせ先】
浅井 武 (Asai Takeshi)
筑波大学体育系・教授
〒305-8574 茨城県つくば市天王台1-1-1